インディペンデント映画界を常に牽引し続けるジム・ジャームッシュが6年ぶりとなる新作を携え、2025年、第82回ヴェネチア国際映画祭にて最高賞〈金獅子賞〉を受賞、新たな歴史を刻んだ。
意外にも三大映画祭での最高賞受賞は自身初となる本作は、『ナイト・オン・ザ・プラネット』、『コーヒー&シガレッツ』を彷彿とさせる、ニュージャージー、ダブリン、パリと異なる都市を舞台にした3部構成の物語。
描かれるのは久しぶりに顔を合わせる3組の親子・家族と、そのひと時。
紅茶片手にテーブルを囲み、近況を語らう一見何気ない家族の会話に漂うのは、かみ合わない、ぎこちない、いたたまれない――時間。
家族とはいえ言わなかったこと、言えなかったことが、知らないまま積み重なってきた時間が、会話の隙間から少しずつ浮かび上がり、次第にそれぞれの人生が豊かに立ち上がっていく。
【STORY】
ニュージャージーの田舎町に隠居する父を訪ねた娘と息子。
かつて破天荒だった父の一人暮らしを心配する姉弟は、その暮らしぶりを確かめようとあれこれと父に問いかける。
しかし、返ってくる言葉はどこか噛み合わない――。
一方ダブリン、同じ街に暮らしながらも、顔を合わせるのは年に一度の家族行事、アフタヌーンティーの席だけ。
人気作家の母のもと、しっかり者の姉と自由奔放な妹の三人が集う。
互いの私生活には踏み込まないまま、取り繕うように交わされる、どこか他人行儀な会話――。
そしてパリでは、両親を亡くした双子の兄妹が、遺品整理のために久しぶりに再会する。
かつて両親が暮らしていたアパートメントで遺品に触れながら、ふたりは静かに過去の思い出を振り返る――。
久しぶりの再会。気まずく、ぎこちない会話からのぞき見える家族の“嘘”。
それぞれの人生がコーヒーテーブルの上にこぼれだす。
「作品情報」
ジム・ジャームッシュ
トム・ウェイツ、アダム・ドライバー、メイム・ビアリク
公式サイト