©KADOKAWA 1959
自身のフィリピンでの戦争体験を基にした大岡昇平による戦争文学の最高傑作「野火」は1951年に発表され、第3回読売文学賞・小説賞を受賞。第二次世界大戦下、フィリピンのレイテ島を舞台に、病魔に侵された中年兵士が飢餓と孤独に苦しんだ末、目の当たりにした陰惨な戦場を描く。監督は『ビルマの竪琴』『東京オリンピック』『犬神家の一族』などの市川崑。脚本・和田夏十とタッグを組み1959年に念願の映画化。映像美の巨匠・市川崑が戦争における人間の真の姿を映し出した本作は、第33回キネマ旬報日本映画ベスト・テンほか国内だけなく海外でも高い評価を受け、第14回ロカルノ国際映画祭®グランプリ、ハンブルグ映画祭優秀映画賞、バンクーバー国際映画祭カナダ映画協会賞を受賞。2014年には、塚本晋也監督の同名作も公開され大きな話題となった。
「作品情報」
市川崑
船越英二、ミッキー・カーチス、滝沢修